新卒が3年以内に辞める理由をミスマッチで片付けてはいけない

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 こんにちは。そろそろ入社した新卒がゴールデンウィークを待たずにポツポツと退職する頃です。初めての会社員生活で緊張の糸が切れて退職した新卒が凧のように飛んで行きます。

 ところで、毎年のように「なぜ新卒の3割は3年以内に辞めてしまうのか」と言われています。同じ報道の繰り返しで飽きてきました。気になったので、厚生労働省が作成している『新規学卒者の離職状況』を見ることにしました。

 1年目の離職率が10%、2年目が20%、3年目が30%と、綺麗に退職者が増えています。3年以内の離職率を30%未満に抑えている年は直近10年でたった1度だけです。平成16年卒の3年以内の離職率はなんと36.6%、平成24年卒は32.3%でした。

 企業と新卒のミスマッチが原因だと言われながら一向に状況は変わりません。企業だって気を遣っているし学生も警戒しているでしょう。なぜ、離職率が下がらないのでしょうか。

 100%まで我慢する人、1%で辞める人

 飽きっぽい人、ストレスを過度に嫌う人、働く意欲が低い人。色んな人がいて当たり前です。辞める理由も様々。仕事に飽きた、違う仕事がしたくなった、旅に出たくなった…。どんな職場にも大した理由が無いのに辞める人はいます。辞めたい気持ちが100%になるまで働く人がいれば、辞めたい気持ちが1%でも辞める人がいる。これについて「我慢が足りない」「根性なし」と罵るのは間違いです。人間の特性を理解していません。新卒全員が10年、20年と同じ職場で働くほうが非現実的です。

「3年やって一人前」になれない

 どんな仕事も3年続けて一人前と言われます。何も知らない1年目、仕事が増える2年目、仕事を任される3年目。3年同じ会社にいれば仕事は大体分かるようになります。この3年目は、自分ができるかできないかを強く意識する時です。2年後輩の新卒を見て自尊心が打ち砕かれたらもう退職です。職人系を除く仕事は3年でモノにならなければ苦しいでしょう。本人だけでなく育てられなかった周りにも問題はあります。

同僚に精神をボロボロにされる

 人間関係が拗れて退職を決意・・・あると思います。面接官との話では分からないのが同僚の性格です。よく内定式で「同期最高すぎた!キャラ濃すぎ~!」なんて言ってる能天気は上手いことできそうですが、合わない上司や同僚にいじめ抜かれて退職や自殺を決意するのはあまりにも酷い話。同僚に評価されないまま辞めてしまった場合、自尊感情がズタズタにされているので精神的ダメージは深いです。もう同じ業界では活躍できないでしょう。

文化系の立場が上がってきた

 軍隊教育の流れを汲む体育会系と、それに反する文化系。体育会系の気合と根性は日本のあらゆるジャンルで結果を残してきました。ですが、近年の日本人草食化や体育会系が起こす数々の不祥事が原因で体育会系が悪だという風潮が強まってきました。すると文化系の人たちが強気になります。日本企業は体育会系ばかりなので、それに合わない文化系が辞めてくのは自然です。文化系は一つの企業に骨を埋めると考えている人が少ないように思います。文化系は一つの会社に留まりません。体育会系の凋落によって文化系の退職率が上がっているのです。

採用面接は嘘つき大会

 今更すぎてたくさん書く必要もありません。労働環境をちゃんと伝えない面接官。死ぬほど残業が嫌なのに「何でもやります」と言う学生。学生が「騙された!辞めてやる」と言って逃げ出ししたとしても、面接で真実を言わなかった企業側の自己責任でしょう。辞めそうな人間を見破ろうとしないからそうなるのです。

人間だから離職率0%にはならない

  働いているのが人間である限り離職率0%はありえません。個人の考え方や特性が異なる故に起こる事なのです。それをミスマッチだけが原因であるかのような意見には納得ができません。従業員5人未満企業の3年以内離職率は59.0%、従業員30人以下の企業の離職率は49.9%です。じっくり面接で話せる企業でこの結果です。若者が仕事を辞めていくのは決してミスマッチのせいだけではないと断言できます。仕事を辞めても空白があっても寛容な社会であってほしい。

参考サイト

新規学卒者の離職状況 |厚生労働省