先日、このようなニュースが報道されました。
大学生の就職内定率は90.6%と前年同期比2.8ポイント上昇し、調査開始以降同時期で過去最高
就職希望者1,000人のうち906人が企業から内定を取っていると解釈できますが、そんな景気が良いようには思えません。
一体どこから取ったデータなんだと記事の続きを見てみると、調査を依頼した学校の数が書かれていました。
国立大学 21校
公立大学 3校
私立大学 38校
短期大学 20校
高等専門 30校
専修学校 20校
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計 112校
これを見て「たった112校?しかも私立38校って何…」と誰もが考えるはずです。次に考えるのは「日本に大学は全部で何校あるんだ?」だと思います。
文部科学省のホームページに行って、日本に存在する大学の数を調べました。2015年時点で日本にある大学の数です。
国立大学 86校
公立大学 89校
私立大学 604校
短期大学 328校
高等専門 57校
専修学校 3201校
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計 4365校
国公立大学は、24校/175校=約13.7%。
私立大学は、38校/604校=約6.3%。
数の多い専修学校を除いても全体として112校/1164校=約9.6%。
一部を調べて全体を推定するのが統計だとしても、強引すぎるでしょう。訳の分からない私立大学を排除して調査すれば内定率が上がるのは当然です。厚生労働省の発表する就職内定率のカラクリでした。
さらに驚くことがあります。文部科学省のページにも似たような調査結果が載せられています。
資料によると、2015年の就職者の割合は、大学72.6%、短大78.1%、高専58.3%となっています。厚生労働省が出している「90.6%」とは全然違いますね。
どちらが真実なのかは分かりませんが、ただ言えるのは「同じような調査を二重でするな」ということです。
こんな事をしているから、国のあらゆるデータが嘘ばかりだと言われるのです。結局どっちを信じれば良いのか分からず、両方信用できなくなってしまいます。
日本の無駄だらけで非効率な労働と通じるところがあります。公務員の「忙しい、忙しい」も信用できません。労働環境を変えるためには、まず無意味な仕事をどんどん削っていくことから始めなければいけません。